目次
ジョーカー・ゲーム THE ANIMATIONのあらすじ
昭和12年の秋、スパイ養成学校「D機関」が設立され、お互いの素性も知らないまま優秀なスパイになるための訓練を受ける。
危険な目に会いながらも、日本や世界中で暗躍するスパイの様子を描く。
・危機的状況をギリギリのところで逆転するスリルが味わえる
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ジョーカー・ゲーム THE ANIMATIONを読んだ感想や面白いポイント
ジョーカー・ゲーム THE ANIMATION
結城中佐が作ったスパイ養成学校「D機関」
舞台は、世界大戦の火種がくすぶる昭和十二年の秋で、帝国陸軍の結城中佐によって極秘裏に設立されたスパイ養成学校「D機関」。
当時、”スパイ=卑怯“という認識が一般的であったため、このD機関の設立には猛反対を受けていました。
そこを押し切ってでも設立されたD機関に、主人公である陸軍中尉:佐久間が出向してきたところから始まります。
佐久間も一般的な認識同様に、”スパイ=卑怯“という認識を持っています。
そんなスパイを養成するD機関では、
・経歴・氏名・年齢などの個人情報全てが極秘事項
・数ヵ国語の習得
・医学・薬学
・物理学
・通信技術
・プロのスリや金庫破りの常習犯による実技指導
・ジゴロ(※)による女の口説き方
などスパイ活動に必要な様々な技術を勉強します。
※ジゴロとは、ダンスの相手などをして、女にたよって生活する男のことで、要はヒモ男ですね。
それだけでなく、真冬の海をスーツ姿で泳ぐという、とんでもない訓練もしているようですね。
普通に死にそうですが、大丈夫なんでしょうか…(笑)
それらの勉強や訓練を受ける人たちは、陸軍士官学校の卒業生ではなく、一般の大学を出た人たちで、最終的に残ったのが8名です。
この8名のスパイが日本・世界各地に派遣され、スパイ活動をする様子が描かれます。
お互いの素性を全く知らず、名前も偽名
陸軍士官学校から出向してきた佐久間は、D機関の寮生活の違いに戸惑っていました。
寮には、門限がなく、夜遊びについても各々の自由でした。
生活スタイルが陸軍士官学校とは全然違うため驚きますが、これだけではありません。
なんと、8人のスパイ全員が偽名を使って、本名は隠しているのです。
もちろん、過去の経歴ですら…
個人情報全てが極秘情報と言うのは、外部に対してだけでなく、内部の同期に対しても極秘なようで、同期でさえ、名前、年齢、出身などは分からない状態です。
どこからどういう経路でバレるか分からないから、その対策でしょうか。
名前が分かれば、家族や恋人、友人などにも狙われる可能性がありますからね。
とは言え、これからずっと偽名や偽りの過去で生活するというのは、自分が消えてしまいそうで怖いですね…
佐久間は、そんな生活にどうして耐えられるのか疑問を抱えていました。
イカサマ当然の情報戦ポーカー:ジョーカー・ゲーム
佐久間は、ある日の夜に、スパイたちにポーカーに誘われ、少し遊んでいくことにします。
フルハウスとそこそこ強い手札を揃えますが、フォーカードで負けてしまいます。
その後、何回やっても勝てず、掛け金が無くなります。
佐久間が「仕方ない…たまにはこんなこともあるさ。また誘ってくれ」と抜けようとします。
ここで、このポーカーの真のゲームをスパイから教えられます。
「佐久間さんはポーカーでは負けていませんよ」
「僕があなたのカードを覗いてサインを出していたんです。」
佐久間は、「イカサマをして勝っていったい何が楽しい!」と怒鳴ります。
スパイたちがやっていたポーカーは、ただの見せ掛けだったのです。
プレイヤーは、
- その場にいる者を味方につけ、盗み見たカードをサインで知らせたり
- 場合によっては、敵のスパイを裏切らせ、味方につけたり
してポーカーをしていました。
しかし、
- 誰が誰の味方に付いているか分からない
- サインは本物か偽物かも分からない
という状況の中でポーカーをするので、本当は情報戦をやっていたという感じですね。
何ともスパイらしいゲームですが、これをポーカーではなく、”ジョーカー・ゲーム“と呼んでいるようです。
タネ明かしをされた佐久間は、やはり納得ができないようです。
“スパイ=卑怯“という考えがあるからですね。
そんなやり取りをしている中、ボスの結城中佐が現れ、佐久間に問います。
「では、こいつらがタネ明かしをしなかったら、果たして貴様は、同じことを言っていたか?」
負けた時、こんな時もあるさと立ち去ろうとした佐久間は、おそらく同じことは言えないでしょう。
そして、結城中佐は続けます。
「それが”今の日本の姿”ということだ」
今回はポーカーでしたが、国際政治の舞台に置き換えることができます。
ワシントンで行われた軍縮会議では、他国のプレイヤーたちは、日本が最大限どこまで譲歩するつもりがあるのか、事前に知っていたようです。
この情報を知っているか否かで、話しの進め方もかなり変わってきますよね。
見せ掛けのルールにとらわれた日本は、情報戦というゲームの本質にすら気づけなかったとのことです。
これが日本の姿であり、今ポーカーをして負けた佐久間と同じ状況ということですね。
ちょっと気になって、1922年に行われたワシントンの軍縮会議を調べてみると、
日本政府から代表団への暗号電をアメリカが傍受・解読したことで、会議は一転アメリカ有利に進んだ。アメリカは日本が容認する最も低い海軍比率を知り、これを利用してそこまで日本を譲歩させた。
(引用:ワシントン会議(1992年)- Wikipedia)
とあるので、おそらくこのことを言っているのだと思います。
本当に起きたことを題材にして作られているので、リアリティがあっても面白いですね。
この時から結城中佐は、情報の重要さを知っていて、周囲の猛反対を押しのけてでも、他国と”同じテーブル”で戦えるようにスパイ養成学校「D機関」を設立したようですね。
スパイ1人1人にフォーカスした短編物語
一番初めは、佐久間とD機関の訓練生達とスパイ疑惑のあるアメリカ人:ジョン・ゴードンの自宅を捜索することになります。
しかし、その後養成を終えたスパイ達が日本含め、世界各国に派遣されることになります。
ここからは、1人1人のスパイ活動にフォーカスを当てて物語が展開されていきます。
- 敵国にスパイであることがバレて捕まったり
- スパイ活動中に記憶喪失になったり
危機的状況に幾度となく追い込まれますが、切り抜けることができるのか、どう切り抜けるのかが見どころですね。
まとめ:リアリティのあるスパイ漫画を見たい方におすすめ!
情報が無ければ同じテーブルにさえ付けないという情報戦の重要さを知り、周囲の猛反対を押し切って設立したスパイ養成学校「D機関」。
“スパイ=卑怯”という価値観に囚われず、日本を有利にするために世界各国で暗躍するスパイ達の活動が中心のストーリーです。
危機的状況を養成学校で培った知識や技術を駆使して切り抜けるところは、ぜひ見てほしいですね。
ジョーカー・ゲーム THE ANIMATION
ギャグ要素もあるもう少しラフなスパイ漫画を見たいという方は、『SPY×FAMILY』がおすすめですね。
スパイの夫、殺し屋の妻、エスパーで人の心が読める娘の偽りの家庭を描いた作品ですね。
ちなみに、お互いがお互いの正体を隠していますが、エスパーの娘にだけは筒抜けという状況で、これもまた面白のです。
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